第44話

エイラはアルファ・キリアンの手に、自分の手を重ねた。

「ええ、どうぞ」

舞踏会場の向こうで、アルファ・セバスチャンがぴたりと動きを止めた。

ついさっきまで、彼はセレナに微笑みかけていた。だが今は、まるでエイラが彼の人生すべてに火を放ったかのような目で、彼女を凝視している。

彼はエイラのほうへ歩き出した。

「痛っ!」

セレナがよろめき、彼の腕にしがみつく。

「足首、ひねっちゃったみたい」

アルファ・セバスチャンは即座に立ち止まった。彼はセレナを近くの椅子へ連れていき、しゃがみこんで足首を確かめる。

エイラは、彼がセレナの足首にあれこれと気を揉む様子を見つめた。

数分前、彼は自分の妻を...

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